コンピュータを知的創造のツールとして使いこなす

タイピング

Preferred Networks (PFN) のプログラミング教材「Playgram(プレイグラム)」開発チームです。

この記事は、連載「タイピングを身につけよう!」の第二回です。前回は、日常でキーボードを扱う機会が減る中で、なぜ改めてタイピングを習得する必要があるのかについてお話しました。今回は、プログラミングとは何をするのか、プログラミングを身につけると何ができるようになるのか、という点について解説します。

プログラマはキーボードがお好き?

パソコンやスマホのアプリに代表される、世の中にある様々なソフトウェアやITシステムを開発する「プログラマ」という専門職があるのはご存知かと思います。ドラマや映画では、黒い画面に向かってキーボードで暗号のような文章を(颯爽と!)打ち込む場面が描写されることが多いですね。

いかにもステレオタイプですが、実のところ、これはそんなに間違った印象ではありません。コンピュータに人間の意図や命令を伝えるには、普段の生活で使う言葉ではなく、「プログラミング言語」という専用の言葉を使った文書を書く必要があります。この作業を「プログラミング」とか「コーディング」といいます[1] … Continue reading

つまり、プログラミングをするにはタイピング能力が必要なのです。

コンピュータプログラマの仕事風景

おうちのパソコンから始めるデジタル革命

私たちの生活や職場の隅々にIT機器や情報サービスが浸透し、昨今は我が国の政府までもデジタル化推進の旗を振り始めています。そんな時代を生きるビジネスパーソンや次世代を担う子どもたちにとって、コンピュータを意のままに操る能力は、生活においても仕事においても重要になりつつあります。

現代は個人や企業が開発したアプリが充実し、一見、それらを使いこなせば何でもできる時代です。しかし、それらのアプリは開発者が特定の用途を想定して作ったもので、あなたが具体的にやりたいことに対して非常に使いづらかったり、そもそも実現できなかったりします。

「必要は発明の母」ともいいますが、えてして、そんな需要と供給のスキマにこそ大きな発明(知的創造)のチャンスは転がっているものです。プログラミングを身につければ、あなたにも、そして子どもたちにも、それをアプリとして形にできるようになります。

「発明」というと、その道のプロでないと手に負えないような、大げさな専門知識と機材が必要なように聞こえますが、実はそんなに大したものは必要ありません。プログラミングの技術さえ身に着ければ、皆さんのご家庭にあるパソコンを使って、今すぐに本格的なソフトウェア開発が始められます。実際に Playgram チームでは、多くの製品を一般的なノートパソコンで開発しています。「人工知能」と呼ばれるソフトウェアも、簡単なものならご家庭で試すことができます。

一説によれば、25年前の世界一のスーパーコンピュータの性能は今やスマホのサイズに、50年前のものに至っては炊飯器のマイコン(組み込みコンピュータ)に収まっていると言います。また、この先、家庭用ロボットが普及すれば、コンピュータの中のデータだけでなく、現実の家庭にある様々なものをプログラムで操れるようになってきます。弊社は、このビジョンを「現実世界を計算可能にする」と表現しています。

プログラミングとタイピングを覚えるだけで、知的創造を実現するその強大なパワーを、皆さんの身近な課題の解決に活用できる時代が来ているのです。

部屋の中にあるモノを認識して片付けてくれる PFN のお片付けロボットシステム

テキストコーディングは時代遅れか?

ここまで、タイピングを身につけるのは文章やプログラムを書くのに必須だから、ということを説明しました。

しかし、近年のプログラミング教育やシステム開発の動向を少しでもご存知の方は、この議論に違和感を覚えるかもしれません。「プログラミング言語を使わないでソフトウェア開発をする方法なら、すでに世の中にたくさんある」「これからはノーコード(テキストを書かないコーディング)が主流になる。テキストコーディングは時代遅れだ」、と。もしそうなら、わざわざ苦労してプログラミング言語を、ましてやタイピングを身につける必要などありません。

しかし、我々は、近い将来にプログラミング言語を使わないコーディングが主流になることはない、と考えています。そこで第三回では、「プログラムはなぜプログラミング言語で書くのか?」という話をご紹介したいと思います。

Playgram / Playgram Typing とは?

Playgram(プレイグラム)は、Preferred Networks (PFN) が開発するプログラミング教材です。PFN は Playgram を通じて、次世代を担う子どもたちに、実際のアプリ開発に通じる本格的なプログラミング技術にふれ、論理的かつ創造的な思考力や課題解決力を養う機会を提供します。最初は初心者に適したビジュアルプログラミングでプログラミングの基礎を学び、子どもの理解度と意欲に応じて段階的に学習を進め、最後に実際の製品開発にも使われる「Python」を使ったテキストコーディングを習得できます。

Playgram Typing(プレイグラムタイピング)は、プログラミングに必須なタイピング能力を習得できる Playgram の補助教材です。これからタイピングを始める子どもや、アルファベットを勉強中の未就学児でも、タイピングの正しい指使い、正確性、スピードを身につけられるよう設計されています。また、学習履歴から苦手なキーを選択して特に重点的に反復練習できる機能を搭載しており、効率的に練習できます。

Playgram Typing は、ご家庭や教育機関などで無償でご利用いただけます(教育機関でご利用の場合はお問い合わせフォームよりご連絡ください)。

References

1 なお、黒い画面が好まれるのは、たくさん文字を眺める仕事なので目に優しい色使いが求められるからだと筆者は思っています。あるいは、単に「映画に出てくるスーパーハッカーみたいでカッコいい」とかそういう理由かもしれない…。